どうも、どんなことよりもワールドトリガー作者の首が心配なダルです。
週刊少年ジャンプで2015年から連載されていた「ワールドトリガー」をご存知でしょうか。
個人的にこれほど集団戦闘を見事に描いている作品は他にありません。FPSの立ち回りの参考にできるほど戦略・戦術がしっかり考えられており、サバゲーを下敷きにしてオリジナリティの高い戦いが展開されます。
また設定が緻密で世界観がしっかりと構築されており、公式データブックをニヤニヤ眺めているだけで1日が終わるほどです。
「最近漫画を読んでいない」「外出自粛で暇だからまとめ買いしたい」といった方に、大人買いがおすすめの漫画「ワールドトリガー」の魅力を力説します!(そしてこの記事を布教用の資料にしてください)
以下のような方はワールドトリガーにのめりこめるかと思うので、ぜひお付き合いください。
【ワールドトリガーがおすすめな人】
- 群像劇好き
- シミュレーションゲームやTRPGが好き
- 細かく設定された世界観が好き
- 設定資料集を眺めてニヤニヤするタイプの人
- SF(少し不思議)が好き
- FPS・TPSが好き
読めば読むほど読み返したくなる『ワールドトリガー』
ワールドトリガーはジャンプでは珍しい、集団戦闘が魅力のSF漫画。現在は月刊誌のジャンプスクエアで連載中です。
Twitterのトレンドにもたびたび上がっており、2021年1月からは待望のアニメ第二期が放映されます。アニメ放映に伴いジャンプ+で「合計120話以上」が無料で公開されているので、お試しにぴったりです!(※2021年1月8日まで)
【あらすじ】
舞台は架空の地方都市「三門市」。ここでは界境防衛機関『ボーダー』が「近界民(ネイバー)」と呼ばれる異世界からの侵略者と、日々戦いを繰り広げていた。
ボーダーの訓練生である「三雲修」が、ネイバーである転校生「空閑遊真」と出会うことで物語は始まる。修と遊真、幼馴染の雨取千佳、ボーダーエリートの迅悠一をはじめ様々な仲間や、次々と現れる敵との出会い・戦いの中で、それぞれが成長していく物語です。
ワールドトリガーは読めば読むほど、読み返したくなるスルメ漫画。公式企画として行われたキャッチコピー募集で『遅効性SF』が大賞に選ばれたほど、物語が進むたびに今までの描写が響いてくる作品です。
「あの発言はこういう意味だったのか!」「あの動きにはこんな意図があったの!?」と後から驚いて読み返したくなる。脳内麻薬がドバドバ出るジャンキーな漫画です。
そんなワールドトリガーの魅力を、大きく4つ紹介します。(7那由他ある魅力のうち4つです)
ワールドトリガーの魅力①刻々と戦況が動く集団戦闘
ワールドトリガーの唯一無二の魅力は「集団戦闘」の巧みさです。
バトル漫画では大人数での戦闘でありながらも、結局はタイマン同士のぶつかり合いになるというのはありがちです。
ワールドトリガーの場合はチーム戦がメイン。そして局所的な戦闘が大局に影響し、大局の流れが局所的な戦闘にも影響し…という様に戦況が刻々と移ります。
【戦況が動くチーム戦の例えば】
- AとBが戦っているが、Cが敵に見つかったのでAが救援に向かうのをBが阻止する
- チームメンバーが合流して戦力が整いそうだから、砲撃で橋を落として分断する
- 最強ジジイが現れたので、時間稼ぎをしつつ分析&脚にダメージを与え弱体化 etc.
そしてその中で登場人物たちは、まるで生きているかのように各々の判断で動きます。これが他の漫画では味わえない醍醐味。
例えば手こずるような強敵が単独で現れた場合、普通のバトル漫画であれば強い味方が相手をするのがセオリーでしょう。ワールドトリガーの場合は、戦力の分散を避けるため『無視』します。
防衛機関のため、敵に勝つだけが目的ではないありません。(勝っても守れなければout)
そのため1対1の戦闘よりも、いかにしてチームで勝利を掴むかに重きが置かれています。

このチームで勝利を掴む重要性を端的に表しているのが、こちらの描写です。
- 接近戦での連携は難しい
- 射程のある武器は側面や背面を取りやすい
- 仲間の火力と自分の火力を合わせろ
どれも戦う上では至極まっとうなご意見ですが、少年漫画でなかなか聞かないリアルな考え方です。作風によっては「そんな卑怯な真似したくねえ!」って言われそう。
目まぐるしく動く集団戦闘と言うと、一見難しそうに思えますが、描写が丁寧でわかりやすくなっています。
作者の葦原先生は公式データブックBBFで「集団戦闘なら要素が多いから、無理なく流れを変化させられる。タイマンだと勝負の天秤を動かす手段がない」と言ったことをおっしゃっていました。
読んでいても「なぜ勝ったのか」がとてもわかりやすく、展開に無理がありません。とてもロジカルな作風で、シミュレーションゲームやTRPGのような戦闘を楽しめます。
ワールドトリガーの魅力②作りこまれた設定・世界観
わワールドトリガーは作中の設定や世界観が綿密に作りこまれています。

公式データブックであるBBFを作る際には、葦原先生から担当編集者にExcelで膨大なデータが送りつけられ、いつまでも印刷が終わらなかったという逸話があるほどです。※新情報満載で単行本2冊分ぐらいの厚みがあります。
それだけ世界観がしっかりと作りこまれているため、某掲示板が感想スレではなく考察スレになってしまうほど。
【ワールドトリガーの世界観】
- 門から近界民と呼ばれる異世界の住人が現れ、市民を拉致・殺害する
- 防衛機関ボーダーは架空の生体エネルギートリオンを用いトリガーで戦闘を行う
- トリガーは汎用武器で、ほとんどの隊員が共通の武器を使う
- トリガーは近接武器(刀・ナイフ)や遠距離武器(ハンドガンやスナイパーライフル)など様々
- 装備にはスロットの限界があるが、その中で自由に組み合わせをカスタムできる
- 防衛任務や訓練の成果でポイントが付与され隊員はランク付けされる(個人&チーム単位)
作中では「トリオン」と呼ばれる生体エネルギーで、「トリガー」という武器を起動します。
この武器は主人公をはじめ、ボーダーの面々は全て規格が揃っています。防衛隊だから当たり前なのですが、装備がもろ被りになってしまいます。
そのため武器自体の性能はほぼ同じなので、武器の使い方で個性を出しています。
例えば刀だけで戦う侍スタイルなのか、盾も合わせたガンダムスタイルなのかなど、各隊員ごとに差があります。
装備できる数や種類にはスロットの制約があり、限界がありますが自由に組み合わせをカスタマイズできるようになっています。さながらカスタムロボやガンダムブレイカーのようで、ゲームとの親和性が非常に高い作風です。

とはいえどのように組み合わせても基本性能は同じ。鬼滅の刃やるろうに剣心など武器を主体にする漫画は、個性的な武器も魅力の一つですが、そういった”ワンオフ武器”はほとんどありません。
しかしだからこそ読者の展開予想が捗る!BBFには未登場の隊員も含め全隊員の装備が、掲載されています。
そのため新キャラが出るたびに「こいつはどんな戦い方をするのか?」「こいつ○○隊員じゃね?」と予想するのが楽しいのです。会議回が一番面白い漫画と言っても過言ではありません。
またどんな性能かわかっているからこそ、突拍子もない使い方をされると驚きが生まれます。主人公の1人空閑遊真は発想力が凄いエキセントリック少年ボーイなので、戦いの度に新たな戦法を編み出します。
読者に作中世界ひいては作者が考える世界観・設定が共有されているからこそ、展開予想が楽しくその予想を裏切られる驚き・喜びが起こります。
予測不可能な展開でありながら、読み返せば伏線となるピースが散りばめられているため、納得感ある驚きを味わえます。
ワールドトリガーの魅力③明確なランク付けによるカタルシス

設定や世界観だけではなく、キャラも徹底的に作りこまれています。ボーダー内のランク付けも疑いの余地がないほど、緻密でパワーバランスがハッキリしています。
そのため後々読み返すと「序盤の戦闘こんなに高度だったの?」「そりゃ勝てんわ!」と驚かされることがあります。
多くの漫画が徐々に敵の強さが引き上げられていき、インフレしていきますが、ワールドトリガーはがっちり強さが固定されています。むしろ最初期には高ランクの隊員ばかり出てくるため、展開が進むほどにデフレしていくほどです。
このあたりは物語が進み読者に理解度が上がるに連れ、読み返すとその凄さや強さ、キャラの行動や発言の真意がわかるような構成になっています。まさに遅効性SFで、話が進むたびに読み返したくなります。
こうして武器構成や隊員ごとの強み・弱みがハッキリしており、ランク付けが厳格にされているからこそ、番狂わせがめちゃくちゃ盛り上がります。
それまでの工夫や戦略と言った、弱い奴が弱いままどうやって強敵を倒すのかにスポットが当たります。
パワーアップして倒すのではなく、ブラフや地形、機転、作戦により上位の存在に勝つカタルシスは大興奮間違いありません。
ワールドトリガーの魅力④豊富なキャラと徐々に明らかになる背景
ワールドトリガーは防衛機関であるボーダーが話のメインになることもあり、多くの防衛隊員がネームドキャラとして出てきます。
○○隊が複数あることもあり、その総数は100人を越えます。
その1人1人に事細かな設定があり、BBFには家族構成まで掲載されているほどです。
キャラ数が多くその個性は様々なので、”推し”になるキャラが居ないわけがないと思ってしまうほど。
しかしキャラが多いがゆえに、ネームドキャラであっても背景のモブと化して初登場を迎えることさえしばしばあります。
【ワールドトリガーあるある】
- モブキャラかと思ったらスナイパーの創始者でトップクラスの実力者
- 噛ませ犬キャラかと思ったら近接戦闘ナンバーワン
顔見せをさらっとして、後々どんなキャラなのか詳しく明かされることが多いため、読み返すと「こんなとこに居たの!?」ってなるのはよくあることです。
各キャラは防衛隊員として働く目的や好きな人・嫌いな人、苦手なこと、得意なことがあり、人間関係が複雑に形成されています。
そのためさながら人間観察をしているようで、キャラ同士の掛け合いが秀逸。「こいつこんな一面もあるのか」「先輩相手だとこんな口調なのか」とキャラ同士の掛け合いを見るだけでも楽しいのです。(台詞が無くても背景で仲良さそうにしてる時もある激アツ)
新キャラが増えるたびに「あのキャラとはどんな会話をするのか?」と想像するだけで面白い!ただドラフト会議(隊員同士をシャッフル)をするだけの回が、Twitterのトレンド入りするほど話題になりました。
キャラ数が多いので最初は何が何やらですが、読み進めれば理解度が上がっていきます。そうして読み返すと新たな発見があり、何度も何度も読み返してしまいます。この再読性の高さは異常です。
公式Twitterでも、1巻と最新刊の累計部数が同じという珍しい売れ方をしていると言われていました。これは1度ハマると抜け出せないというのもありますが、何度も読み返したくなるから全巻まとめ買いする人が多い影響もあるのではないでしょうか。
ワールドトリガーは設定資料集やゲームが好きな人におすすめ
ワールドトリガーは集団戦闘が描かれた唯一無二の面白さがあります。
また緻密に設定された世界観が面白く、どんどんのめりこんでしまいます。特に設定資料集を読んだり、シュミレーションゲームやRPGゲームをしたりする方におすすめできる漫画です。
読み進めるほどに読み返したくなるので、ぜひ大人買いして読んでみてください。気づけばあなたも三門市民になっているはずです。
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