魔王信長の由来は武田信玄への皮肉だった?第六天魔王の意味

第六天魔王は皮肉だった戦国時代
第六天魔王は皮肉
スポンサーリンク

どうも、ダルです。

戦国時代の人物は様々な異名で呼ばれ、例えば「越後の龍」と呼ばれた上杉謙信や「独眼竜」伊達政宗など多くの戦国武将に異名があります。

その中でも異彩を放つのが魔王や第六天魔王と呼ばれた織田信長ではないでしょうか。漫画やアニメ、ゲームなど、様々な創作物の中でも自称する姿をよく目にします。

では、織田信長がなぜ「魔王」「第六天魔王」などと呼ばれるのでしょうか?今回は魔王信長がどのようにして誕生したのかお話していきます。

スポンサーリンク

魔王信長は異名ではなく自称だった

魔王織田信長、第六天魔王など、織田信長は何かと「魔王」と呼ばれがちです。

しかし、「第六天魔王織田信長である!」こんなフレーズをどこかで聞いた覚えはないでしょうか?

私はFGOやドリフターズで腐るほど聞いた覚えがあります。織田信長は漫画やアニメでもひっぱりだこなので、様々な作品でこうした異名を自称しているはずです。

しかし、「異名を自称する」この行為にどこか違和感を覚えませんか?

そもそも異名とはあだ名と同義の言葉なので、本来他人から呼ばれるもので、自称するものではありません。

例えば「あいつ!あの有名な国家錬金術師の!」とか「左ほほの十字傷に逆刃刀、あの有名な?」とか、異名というのは他人から呼ばれるものですよね。

ではなぜ様々な創作物における織田信長は自ら第六天魔王と名乗るのか、答えは簡単で「史実」の織田信長が名乗っていたとされるからです。

つまり第六天魔王というのは異名でありながら自称でもあったというわけです。

自分で魔王を名乗るって相当な厨二病患者のように思えますが、罹患者認定は早計です。そこにはちゃんとした理由がありました。

手紙の署名で第六天魔王を自称した

織田信長が第六天魔王と名乗ったのは武田信玄に対する手紙の署名でのことだと言われています。

言われている…と不確かなのは実際にそう記された書物が残っていないからです。

織田信長の元にいた宣教師である「ルイス・フロイス」がイエズス会へと送った書簡『日本耶蘇会年報』で第六天魔王と署名したという記述が残されているに過ぎません。

そのためどこまで真実であるのか不確かなのです。

ただ、第六天魔王だなんて単語が何もない所から、しかも宣教師から出てくるとは思えません。ルイス・フロイスが驚く突拍子もない名乗りをしたのは事実なのかもしれません。

武田信玄から比叡山焼き討ちに関しての手紙

1573年に武田信玄から挑戦状を受け取った信長は、この手紙の返事に第六天魔王と署名したとされています。

この挑戦状は比叡山延暦寺の焼き討ち事件を受けてのことで、天台座主沙門信玄と署名されていたと言われています。

  • 武田信玄『お前比叡山焼いたやんな?ちょけ過ぎやろあかんくない?普通に考えて。俺、天台座主やらさせてもうてるからとりあえずお前しばくわ。みんな怒ってたし。』
  • 織田信長「はあ?知らんがな。あかんくないわ。おのれが天台座主ならわしは第六天魔王じゃい。隙があったらかかってこんかい。」

という旨の内容で、まさに売り言葉に買い言葉のようなイメージ。このやりとりからもわかるように、第六天魔王というのは信玄が天台座主てんだいざしゅを名乗ったことによるお返しとして名乗りました。

なぜ信長は自らを第六天魔王と名乗ったのか?

織田信長が第六天魔王と名乗った経緯はおわかりいただけたかと思います。では、なぜ第六天魔王という名称をチョイスしたのか?

これを知るためには天台座主沙門の意味を知らなければなりません。

天台座主沙門とは比叡山延暦寺の長

比叡山延暦寺は天台宗の総本山であるため、天台座主てんだいざしゅというのは読んで字のごとく天台宗で一番偉い人という意味があります。

太政官が任命する公的な職業となっていたため、皇族や貴族、足利将軍家出身の僧侶など位の高い者が歴任する名誉ある役職です。

ちなみに沙門しゃもん=仏教徒を意味する言葉です。

しかし武田信玄が天台座主に任命されたという記録は残っていないため、もし名乗っていたのなら自称・天台座主ということになります。

武田信玄は仏教徒を支援しており、仏教徒から一定の支持を受けていたため、焼き討ちで追放された僧たちが自身に助けを求めてきていたこともあり挙兵する大義名分がありました。

このことから『仏教の守護者たる俺には仏教徒が味方につくが、焼き討ちしたお前はどうかな?』という挑発的な意味合いがあったのではないでしょうか。

仏教徒が味方についたところで大したことないのでは?と思われるかもしれませんが、当時の仏教勢力は一大勢力です。

信徒による莫大なお金・独自の領地・屈強な僧兵・極楽浄土を信じ死を恐れぬ兵など、仏教勢力には強力なカードが揃っていました。

戦上手の武将でも手を焼かされる存在であったため、勇名を轟かせていた武田信玄にとっては鬼に金棒だと言えるでしょう。

第六天魔王は仏教の敵マーラ

天台座主は延暦寺の長の称号でした、それに対する第六天魔王は仏教の敵です。

第六天魔王というのはペルソナシリーズなどで有名なマーラと同一の存在で、釈迦の修業を邪魔した仏教徒の敵と言える存在です。

そもそも「第六天」というのは仏教的には欲望にまみれた浅ましい人々が暮らす世界観のことで、そこに住む魔王が人々を欲で誘惑し修業を邪魔するとされています。

魔王というとゼルダの伝説の大盗賊のような「悪業を成した人」を揶揄する言葉をイメージしがちかもしれません。

しかし、この場合の魔王とは単に魔の王=仏敵を指す言葉です。

信長の場合は、信玄が天台座主を自称して煽ってきたため「お前が仏教勢力を味方にするっちゅうんやったら俺は仏教に仇なす魔王になったろうやないかい」と返したわけです。

魔王とは武田信玄の煽りに対する皮肉交じりの返しだった

武田信玄が仏教徒を味方につけ攻め込もうとしたために、自身を仏教の敵である第六天魔王になぞって返答したというのが魔王信長の由来でした。

苛烈な所業や焼き討ち事件のような非道とも思える行動から後年に魔王と呼ばれたのではなく、あくまで挑発に対して自称したというのは意外ではなかったでしょうか。

この自称自体は実施の書面が残っていないため真実かどうか疑わしい部分はありますが、愛知県豊橋市の金西寺に伝わる開山記『當寺御開山御真筆』に信長のことを第六天魔王と表現している文章が残されていることから信長=仏教の敵=第六天魔王という発想が当時からあったことは伺えます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました