どうも、馬刺し大好きダルです。
騎兵、特に騎馬民族は近代に入るまで…つまり火器が一般的になるまでは間違いなく最強でした。前回まで、そんな騎馬民族の強さについて書いてきました。
しかし、実際にはどこでも無敵だったわけではありません。もちろん弱点もあります。
今回は最強と名高い騎兵の攻略方法を考えたいと思います。
騎兵は世界中で活躍してきた兵科だった
古今東西、騎兵は長らく多大な活躍をしてきた兵科でした。日本では武田騎馬軍団が有名ですよね。
世界的に見れば、モンゴルをはじめとする騎馬民族が災害レベルの強さを誇り、スキタイや匈奴など様々な騎馬民族が農耕国家の趨勢を左右してきました。他にもハンガリーやポーランドの騎兵も有名ですね。
一口に騎兵と言っても、武士も騎士も騎兵でしたし、狩猟民族も騎兵です。
同じようですが国によって時代によって、戦法が違うので一概にはできません
多くの人がイメージするのは馬上から攻撃する騎兵でしょうか。しかし馬はあくまで移動手段で、戦闘は馬から降りてするパターンもあれば、モンゴルのように馬上から射かけるパターンもありました。
こういった騎兵は今では戦車やヘリコプターなどの兵器に取って代わられていますが、第一次世界大戦ぐらいまでには存在していました。
結構最近まで活躍していたんですね
騎兵の強さは圧倒的な機動力と攻撃力
騎兵の強さとは何といっても機動力です。
競馬では一般的に時速60kmという車と変わらないスピードで走っています。もちろん競走馬と軍馬では違いますし、騎乗する兵の装備の重さなどからそこまでのスピードは出ないはずです。
しかし馬以上の移動手段がなかった時代にこれは驚異的な機動力です。
人間には到底追いつけない速度、そして重装備を施した兵や騎射による一撃が騎兵の持ち味。そして突撃という恐ろしい攻撃も持ち合わせていました。
馬に乗った兵士が一心不乱に突撃してくれば私なら迷わず逃げます
それは昔の兵士たちも同じだったようで、騎兵部隊による突撃は歩兵の陣形を崩すのに有効な手段の一つでした。
どのように抵抗していたのか、 騎兵・騎馬民族 への対抗策
そこでここから今回の趣旨である、騎馬の攻略方法を考えていきたいと思います。
歴史には数多くの騎兵・騎馬民族が存在しましたが、その中でも大きく名を馳せたモンゴルですら負け戦はありました。恐ろしい敵でありながらも決して無敵ではないのが騎兵です。
構造物で物理的バリア!万里の長城的発想
みなさんご存知「万里の長城」。
あれは中国の歴代皇帝たちが猛烈な騎馬民族たちを寄せ付けないために築き上げた防衛ラインです。これは大いに有効な手段で、動かない構造物相手では持ち前の機動力を活かすこともできず突破できません。
しかも「万里の長城」や「ハドリアヌスの長城」のような、サイドに広がる構造物は左右に回り込んで撃破…という戦法も使えません。
なにより「高さ」があるため馬を連れて行くことができず、騎馬民族特有の「人馬一体」の攻撃を封殺することになります。
あのモンゴルでさえやすやすと突破することはできず、中国へ侵入するには迂回を余儀なくされたようです
メンテナンスさえ怠らなければ有用な対抗策です。
- 騎馬民族「略奪の季節がやって参りましたー!よろしくぅぅぅWRYYYYY!!!」
- 防衛兵「うわ来た蛮族!残念今回は長城があるんや来れるもんならこんかい!」
- 騎馬民族「あれ、いつも通りに行かんなあ…イライラ。せや、回り込んだろ!」
- 長城「長城だからね、周りこんだりできないよ!帰れ!」
- 騎馬民族「はあ?だっる、マジ意味わからん。一旦帰る(´;ω;`)」
密集陣形で寄せ付けない!ファランクス的発想
突撃してくる騎馬兵、特に騎馬槍兵に対して有効なのがファランクスのような密集陣形。日本でも騎馬兵には「槍衾」などで対抗してきました。
固まって槍を構えることで兵を寄せ付けなくするものですが、近づけないのは馬も同じ。
正面から迫りくる騎兵に対して抜群の攻撃力・防御力を兼ね備えます
そう、正面からは。こういった歩兵陣形の弱点は側面を突かれることです。練度が低いほどその傾向は顕著になります。
騎兵持ち前の機動力で、側面や後方に回られると対抗できません。
一気に瓦解してしまいます
しかしこれはケースバイケースで、自軍に有力な騎兵が存在するのであればファランクスが注意を引き付けている間に敵軍の側面を突くことも可能です。
アレキサンダー大王が好んで用いた戦術ではありますが、騎兵相手に有効かどうかは…絶対ではないでしょう。
槍兵・騎兵共に高レベルで運用できるのであれば戦果を期待できるかもしれません。
地形で有利を取れ!騎兵弱体化的発想
元に攻められたベトナムや日本が生き残ったのは環境的要因も多分にあります。それは騎兵が存分に力を発揮できるのは平原であるということ。
山間部や森林・ジャングルなどでは速度が出ないので本領を発揮できませんし、小回りも効かなく機動力はがた落ちです。
加えて罠などを仕掛ける、孤立化させる、各個撃破なども有効です。白兵戦、ゲリラ戦を得意としていれば十分勝機はあるでしょう。
また川や海などの水辺も利用できます。基本的に馬が踏破できない場所、速度を出せない場所が騎兵を弱体化させられるフィールドです。
上手く誘い込めば機動力を封じ撃退できることでしょう
伏兵を忍ばせろ!ベトナム的発想
伏兵を忍ばせておき、側面や後方から叩くのも効果的です。
島津のように「釣り」が上手い指揮官がいれば、よりその成功率は高まることでしょう。ファランクスなどもそうでしたが、兵は側面など正面以外からの攻撃には弱いものです。
ベトナムは元軍との戦いの際にジャングルに兵を忍ばせるゲリラ戦を展開。中国と陸続きな地形にもかかわらず、モンゴル軍を撤退に追い込むことに成功しています。
伏兵で有利な地形や、陣形に追い込むことができればより大きな効果が得られるでしょう。
- 騎兵「おらーーーー突撃じゃオラオラオラァ!!」
- 伏兵「側面取ったり!」
- 騎兵「いつの間に…一旦撤退、南へ抜けるぞ」
- ファランクス「俺たちの正面へようこそ!」
- 騎兵「正面はマズイ…なら東…は森か、じゃあ西!」
- 長城「残念長城でしたー!帰れ!」
伏兵・陣形といった戦法、地形や長城のような建造物など色々仕込めれば、手ごわい騎兵・騎馬民族を撃退しやすくなります
機動力を削ぐことが第一
騎兵を倒すにはまずは機動力を削ぐことが大事です。
長城や要塞までいかなくとも、障害物を設置するだけでも足を止められます。一度止まれば矢の的なので、いかにして足を止めさせることができるかがポイントでしょう。
とはいえファランクスのような陣形も、万里の長城のような城・要塞も維持するには莫大なコストが必要となります。
また陣形は練度が命なので、それだけ軍隊へ予算を割ける国力が必要です。要塞などの施設はメンテナンスなど維持するための労力とお金が必要です。
いずれにしても経済力が必要になるので大国でなければ厳しいと言えます…
こうして対抗策を考えるといかに騎馬が厄介な存在なのかがわかりますね。
どれかを使うよりも、複合的に用いるのが一番効果的なのは確かです。できれば森や川がある方がいいでしょう。地の利が一番の武器です。
みなさんが騎兵と出会った際の参考になれば幸いです。
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