どうも、城に行く際は攻めるつもりで見るダルです。
熊本城は2016年の熊本地震により甚大な被害を受け、2021年現在なお復旧工事が行われています。在りし日の姿を完全に取り戻すには、まだ時間がかかりそうです。
しかし着々と復旧は進んでおり、2021年4月26日(新型コロナの影響で延期)には天守閣全体の復旧が完了し、熊本地震後初めて天守閣内部へ入ることができます。
とはいえ熊本城全体でいえば、まだまだ復興途中であることにかわりありません
計画的には完全復旧は2038年とされています。
しかし復旧作業が行われている今だからこそ、見られる景色があります。それが熊本城の敷地内地上約6mに作られた「熊本城の空中回廊」からの景色です。
今回は特別公開中の復興見学ルートだからこそ見られる、今までとは違う「熊本城」の姿について実際に行った写真・感想と共にお伝えしていきます。熊本城に行ってみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
復旧途中の今しか見られない熊本城の姿
最大震度6強で大きな被害をもたらした熊本地震。堅牢な熊本城であっても、その被害は免れませんでした。
しかしあれから約5年が経ち、少しずつ復旧されてきており、天守閣へは2021年4月より入場できるようになります。(天守閣について詳しくは「熊本城公式HP特設ページ」をご覧ください)
まだまだ完全復興とはいかない熊本城ですが、復旧途中の今しか見られない景色があるのも事実です。2020年末に私が現地を訪れた際の写真や感想を交えながら、現在の熊本城の姿や見どころをお伝えします。
復興見学ルートから見る熊本城の景色
地震により石垣が崩れ、建物が大きく歪んでいました。元通り戻すのは大変そう…
熊本城内には未だ様々な箇所に地震の爪痕が残されており、石垣が崩れていたり、建物が軋んでいたりしています。
そのため今まで普通に入れていた道が使えなくなっており、城門から天守閣へのルートが使えません。
その代わりに地上約6mの高さに、特別見学通路が設けられています。
通路の幅はとても広く、大人が余裕ですれ違えました。人との距離が気になるご時世でも安心ですね
この特別見学通路から見る熊本城は、築城者である加藤清正も含め歴史上誰も見たことがない景色です。
本来であれば見上げるはずの石垣も、随分近い高さで見ることができます。地上約6mの高さから見られるお城は、他にありません。
例えば天守閣へと続く道を、下の映像のように見下ろすことさえ可能です。
かつて多くの人が行き交ったであろう、地震前には多くの観光客で賑わっていたであろう場所を、見下ろすのは新鮮でした。
この橋が初めからあったら、上から射掛け放題やから攻めにくいやろなあ、その場合は真っ先に大砲で狙われるやろなあ
本来、上の映像部分は6回も折れ曲がった「連続外枡形」と呼ばれる攻めの難所。熊本城の堅牢さを体感できる場所ですが、石垣が崩落しているため実際に歩くことはできず…。
しかしドローンで撮影したような高所からの景色を、肉眼で体感できるので、下から見上げるのとはまた違った見方ができ面白かったです。
熊本城名物とも言える、忍者も登れない「武者返し」は健在でした。(沈下はしているようです)
特別見学通路から見ると高さがあるので、同じような目線で見れて感激です
上に行くほど傾斜がキツく簡単には登れないのが明らかでした。
近くで見ると中腹あたりで膨らんでいるのがよくわかり、絶対に登らせないという強い意志が感じられます。
こうした城内の様子を高台から見下ろせるなんて、飛ばない限りまずあり得ないので、とても楽しい体験でした。
熊本城へ既に行ったことがある方でも、楽しめるのではないかと思います。
また特別通路は石垣を越えていくために、途中でいくつかエレベーターも設置されています。そのため年配の方やお子さんが一緒でも安心です。
ちなみに特別見学通路は特別公園南口から天守閣前の広場へ続く「南ルート」と、特別公園北口から同じく天守閣前に続く「北ルート」の2パターンあります。(上記の映像・写真は南ルート)
南ルートは全日公開されていますが、北ルートは日曜・祝日のみとなっているので、せっかくならどちらも通れる日程がおすすめです。(ルートの俯瞰図はこちら)
未だに残る熊本地震の爪痕
徐々に復興が進んでおり、4月末には天守閣が完全復旧するとはいえ、至る所に熊本地震の爪痕が残されていました。
例えば北口券売所から加藤神社までのルートにあった、石垣や櫓は崩れたり傾いたりと、大きな傷を負っています。
他にも加藤神社を過ぎた辺りに位置する「北大手門跡の石垣」は、空堀が埋まってしまうような勢いで、大きく崩れていました。
どこの石垣もびっちりと、隙間なく組まれているにもかかわらず倒壊しているあたり、地震のエネルギーの大きさ、威力の凄まじさがうかがえます。
闇り通路など地震に耐え抜いた建物も多い
地震の爪痕は色濃く残るものの、倒壊している建物ばかりではありません。
熊本城の名所の1つであり、本丸御殿大広間の下に位置する「闇り通路」は目立った被害はありませんでした。(南ルート)
しかし私が行った際はバリケードで防がれており、闇り通路は通行できない状態。
写真を撮るのがやっとでした。ブラタモリでは階段を下から覗いていたので、楽しみだったのに残念…
この闇り通路は本丸御殿に上がるための正式な通路で、写真にある階段を昇っていたようです。(地震被害により本丸御殿内部は非公開)
御殿への正式通路が地下にあるのは全国的にも珍しく、熊本城ならではの機構。本丸御殿が2つの石垣を跨ぐように建っているため、防衛機能を兼ねて地下を通路にし、入口に門を配しています。
戦国を生き抜いた加藤清正が建てただけあり、堅牢さは抜群です。
ちなみに闇り通路へ続く道では、立派な梁を間近で見られます。写真でもわかるように、梁にはうろこ状の模様があります。
これは釿削り(ちょうなけずり)と呼ばれる方法で作られており、シャワーヘッドの先に刃がついたような変わった器具で削られています。
手斧で削った独特の模様が美しく、古民家や城などでしか見れないので注目ポイントです。
釿は鉋(かんな)が生まれる前の器具で、今では宮大工など一部の職人にしか使われていないようです
積み上げられた石垣の跡
よく見るとそれぞれに番号が振られており、これらを組み合わせて元通りの石垣に戻そうとしているようです。
積み直しが必要な石は推定7万~10万個。膨大な数の石を組み直すのは、途方もない立体的なパズルです。
適当な石を持ってくるのではなく、元々使われていた石を使おうというところに、熊本城への並々ならぬ愛を感じました
熊本を訪れた際に利用したおすすめホテル
熊本旅行の際に宿泊したホテルは、熊本の次に福岡に行く予定だったので、久留米の「ホテルマリターレ創世 久留米」を利用しました。
フジテレビの「料理の鉄人」に出演していた和食の鉄人中村孝明さんがプロデュースしているということで、ご飯に期待して行きましたが出てくる料理全て美味しく大満足したので、おすすめです。
量と質が揃っていて舌もお腹も満たされました
久留米は熊本と福岡の中間に位置しており、熊本から福岡に行くもしくは福岡から熊本に行く際に、便利な立地です。
熊本城天守閣はいち早く復興完了して見学が再開
熊本城の天守閣は優先的に修復されていたこともあり、私が訪れた2020年末の時点で十分に綺麗な状態になっていました。
地震に備えた最新技術と伝統技法を融合させ、震災復興のシンボルとなるよう復旧作業が進められています
天守閣の修繕が済み、中に入れるようになるのは2021年4月26日から(新型コロナの影響で延期)。天守閣内部の一般公開は、熊本地震から実に約5年ぶりとなります。
ようやく入れるようになる天守閣。コロナ禍でなかなか思うように行けないかもしれませんが、空中回廊を含めぜひ見ておきたいスポットです。
この機会にぜひ熊本城を訪れてみては、いかがでしょうか。
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