どうも、五条の女ことダルです。
今回は週刊少年ジャンプ連載中で、2020年10月現在アニメも絶賛放送中の「呪術廻戦」の謎についてです。
※以降ジャンプ本誌のネタバレあり
渋谷事変が発生してからハラハラする展開ばかりで毎週心臓に過負荷がかかっていますが、展開を経るごとにキャラに背負わされた運命のようなものが、作者自身が公言したキャラごとのイメージソング通りになっているなと感じています。
この記事では虎杖のイメージソングの歌詞とストーリーとの関連性を考察してみます。何もかすってなかったら百葉箱の下に埋めてください。
キャラのイメージソングとは?
イメージソングは、コミックス3巻で作者の芥見下々さんが東京校の1年生にそれぞれ決めていたもの。
主人公の虎杖は以下の2曲となっています。
- 9mm Parabellum Bulletの「ハートに火をつけて」
- 口ロロ(クチロロ)の「いつかどこかで」
3巻当時は何も思わなかったのですが、ストーリーが進むにつれて特に「ハートに火をつけて」の歌詞が虎杖の状況とリンクするようで不穏です。そして先々の不安を煽るような感じで意味深なのです。
「ハートに火をつけて」の虎杖っぽさ
作者が直々にイメージソングと言うだけあって、歌詞がすごく虎杖っぽい。まずはこの部分。
君はとてもついてる 悪い癖がついてる 自分に自分は見えない
「ハートに火をつけて」作詞:菅原卓郎
君と僕はついてる かたく結びついてる 一筋縄ではいかない
「ハートに火をつけて」作詞:菅原卓郎
「憑いてる」ということなら、指を飲んだ虎杖には宿儺が憑いていますね。また一筋縄ではいかない宿儺と固く結びついてしまっています。
そして東堂に指摘されたように、呪力が遅れる悪い癖もついていました。この東堂も一筋縄ではいかない者で、虎杖と固く結びついている存在です。
この部分は、虎杖に関係のある人たちとの繋がりを表しているように感じます。
「ハートに火をつけて」は渋谷事変から虎杖が復活する暗示
渋谷事変で虎杖は真人をはじめ呪霊たちによって、心がバキバキに折られました。自分の体で渋谷が更地になったのですから、たとえ誰が生き延びたとしても、虎杖はその罪の意識に耐えられないでしょう。
そもそも渋谷事変が終息しても、かばってくれるであろう五条が不在の可能性は高く逃亡しなくてはならない可能性すらあります。
また虎杖は自分の責任と考えがちな思考回路です。仙台の高校を去る際も、宿儺の封印を剥がした先輩ではなく、指を拾ってきた自分が悪いと謝っていました。
そのため自ら死刑を早めて欲しいと言いかねません。
しかし「ハートに火をつけての」サビは以下のようになっています。
だから火をつけて ハートに火をつけて 二度と消えないように
「ハートに火をつけて」作詞:菅原卓郎
ハートに火を灯す=再起・復活する展開があるのではないでしょうか。ナナミンの死や敗北、渋谷大虐殺でバキバキに折れてしまった心が、二度と折れてしまわないように。
0巻にあたる「東京都立呪術高等専門学校」で主人公だった乙骨は、「生きてていい自信が欲しい」と言って自己肯定のために戦っていました。
虎杖にも乙骨と同様に自己肯定を得るイベントが待っているのではないでしょうか。
復活する代わりに何かを失う?
「ハートに火をつける=復活」と仮定すると、そこから続く歌詞が不穏に感じます。
孤独を燃やして 秘密を燃やして 灰にならないか 灰にならないか ほら
「ハートに火をつけて」作詞:菅原卓郎
不安を燃やして 時間を燃やして 灰にならないか 灰にならないか ほら
「ハートに火をつけて」作詞:菅原卓郎
これはどちらも火をつけての歌詞から続く部分なのですが、様々なモノを燃やしてハートに火をつけています。
これが呪術廻戦の物語にも当てはまるのであれば「孤独」「秘密」「不安」「時間」を燃やして、ハートに火をつける=復活するという意味になります。
どれも意味深ではありますが、この中で最も虎杖に当てはまるとすれば「秘密」ではないでしょうか。
虎杖の過去にかかわる何かによって、虎杖はハートに火をつけ復活するのかもしれません。では、その過去にある何かとは何なのでしょうか。
虎杖には大きな秘密がある可能性
読者が虎杖について知っていることはまだまだ限定的です。過去編があった五条や、出自が語られている伏黒に比べると指を飲んで以降…つまり本編開始後からの姿しかわかりません。
中学の同期である小沢優子ちゃんは出てきたものの、虎杖の人物像が断片的にわかるのみでした。
また、脹相戦で発動した「存在しない記憶」。まだ虎杖は無自覚のようですが、記憶改竄もしくは洗脳のような術式であるように見えます。

この脹相戦の描写を見る限り、東堂との存在しない記憶も虎杖の術式?のせいだったように思え、順平との「もしも」もただの扉絵ではなかったと思わされました。(順平→虎杖の呼び名が最期に変わっていることから、扉絵は順平が最期に見た「存在しない記憶」の可能性がある)
現時点ではこれが術式なのか、そもそも虎杖がやっていることなのか何もかも不明。ですが、虎杖に何かあるのでは?と勘繰りたくなりますよね。
アニメではカラーなせいもあって第一話で虎杖だけ制服じゃないのは、凄く違和感がありました。虎杖の両親も不明で、さらには記憶改竄できるのであれば、祖父と血のつながりがあったのかも怪しく思えます。
このように、よくよく考えると虎杖は主人公でありながら「過去」「素性」が全くわかりません。作中で最も謎めいたキャラと言って過言ではないでしょう。
渋谷事変が終われば、虎杖の過去を掘り下げる展開になりそう。虎杖の花言葉は「見かけによらない」、読者が知っている虎杖像を覆すような秘密があるのかもしれません。
キャラの名前に含まれる植物の花言葉を考察した記事もあるので、こちらもチェックしてみてください。
「いつかどこかで」は宿儺の完全復活を暗示?
虎杖のイメージソングとして作者がもう一つ挙げているのが、口ロロ(クチロロ)の「いつかどこかで」。サイケデリックな曲でハートに火をつけてとはまた違った曲調の歌です。
歌詞も曲の作りも独特で、複数の人々の声が一つの歌になっています。
イヤホンで聴くと色んな人が話しかけてきてるような、雑踏にいるような気分になります。
ずっと頭の中に他人の声が響いているような独特な曲で、まるで虎杖の脳内のよう。虎杖は1巻で10秒間宿儺と交代した後に「アイツの声がする」と言っていました。
普段から脳内で宿儺からめっちゃ話しかけられてるかもしれません。嫌やな…。
- おい小僧、今週のジャンプはまだか。おい、どうして打ち切りになっているんだ小僧!
- 待て小僧、コーヒーには砂糖を入れろ
- 違う小僧、そいつはブラザーではない!
こんな状態では恐らく容易には、罪の意識から逃げられないでしょうね。宿儺に四六時中「お前のせいだ」と言われるかもしれませんから。
そんな「いつかどこかで」でまず気になったのは、歌詞に「時間を数える」と「時間が過ぎてしまっている」2つの描写が多いこと。
一秒二秒三秒四秒
「いつかどこかで」作詞:三浦康嗣&チームわが星
ゲェ~~もうこんな時間!
「いつかどこかで」作詞:三浦康嗣&チームわが星
なんでお母さん起こさなかったんだ!
あれ、なんでもう3時?気づいたらもうすぐ朝じゃ~ん
「いつかどこかで」作詞:三浦康嗣&チームわが星
そして「おやすみ」という言葉や「眠りに入る」描写も多くあります。
おやすみ~ ほんのちょっとだけ眠らせて
「いつかどこかで」作詞:三浦康嗣&チームわが星
常磐線いわき発富岡行き ガタンゴトン あ~ちょっアカン 寝過ごした!
おやすみだけど眠れない夜 考える今までのこと
「いつかどこかで」作詞:三浦康嗣&チームわが星
これら時間と眠りの描写が多い歌が虎杖のイメージソングになっているのは、嫌な予感がします。
そう虎杖は忘れていますが、宿儺が「契闊」と唱えれば一分間体を明け渡す約束をしてしまっています。
契闊とは『長い間会わないことや、苦労し努力すること。』を指す言葉。
長い間会わない???努力?なんとなく宿儺のイメージと合わないような…。そもそも一分程度の短い交代なのに、長い間というのもよくわかりません。
しかし、「いつかどこかで」には以下のような歌詞もあります。
ダメだ まだだ 眠っちゃダメだ
「いつかどこかで」作詞:三浦康嗣&チームわが星
あたま のなかで流れるリズム 時報 それが 子守唄へ変わってく
ただ眠るだけではなく、眠りに抗うような歌詞が曲の終わり部分にあります。
これらのことから、契闊は一分交代するだけではないのでは?と考えました。「一分交代して何かをする」のではなく、「一分間で仕上げる」のではないでしょうか。
例えば宿儺復活のための条件があり、それらを苦労してクリアしていき、最後の仕上げに一分間入れ替わることで「完全復活」が果たされるのかもしれません。
渋谷事変で宿儺は伏黒にやってもらいたいことがあるようでしたが、この完全復活のために伏黒が必要なのかも。
いわば宿儺にとっては下ごしらえをしている最中で、準備が整えば契闊を使用して調理を完了するのではないでしょうか。
そうなると何としてでも契闊を阻止しなくてはなりませんが、肝心の虎杖が覚えていない…ものの、思い出すために記憶操作の術式?が活きるのかもしれませんね。
まとめ
虎杖のイメージソングを考察してみました。まだまだ謎の多い虎杖ですが、イメージソングの歌詞を見てみると不穏な雰囲気を感じてしまいます。
最終的に宿儺の完全復活は防げないのか、それとも虎杖自身が宿儺になってしまうのか?どんな展開になるとしても、単純な大団円のハッピーエンドにはならなさそうな気がします。
芥見下々先生は、背景の描写や名前に意味を持たせる作者なので、そこかしこに隠された意味があるかもしれません。
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