どうも、吉田ヒロフミの女ことダルです。
アニメ化すれば人気爆発すること間違いなしの、ダークファンタジー漫画「チェンソーマン」を紹介します。
「このマンガがすごい!2021」で男性部門で大賞を受賞し、2020年12月時点で累計発行部数は500万部を突破しているヒット作品です。また「ドロヘドロ」や「呪術廻戦」でお馴染みのMAPPAによるアニメ化が決定しました。
頭のネジがぶっ飛んだ作者が描く、頭のネジがぶっ飛んだキャラたちによる悪魔退治の物語。週刊少年ジャンプで2020年12月14日発売号まで連載されていました。
わずか2年ほどの連載ではありますが、ジャンプ史上いや漫画史に名を刻むこと間違いなしの作品です。
全11巻で完結するため、一気読みにおすすめ。ジャンプ+で第二部の連載開始が発表されているので、未読の方はこれを機に追いかけましょう!
以下のような方にチェンソーマンはおすすめなので、ぜひ最後までお付き合いください。みんなで布教して頭ハロウィンになりましょう。
【チェンソーマンがおすすめな人】
- 10巻ほどで短く完結する漫画が好き
- B級映画が好き
- 泣ける漫画が読みたい
- ダークファンタジーが好き
- 話題になる前に知っておきたい
- 勢い良くサクサク進む漫画が好き
- 頭のネジをぶっ飛ばしたい
イカれたやつが勝ち『チェンソーマン』
チェンソーマンは人も悪魔もイカれたやつが勝ちで、まともな感性をしている登場人物ほど生き残れないダークファンタジー。テンポよく勢いのある作風で、ド底辺の暮らしを送っていた主人公デンジが人並みの感性を得ながら、人間として成長していく物語です。
私は毎週ハラハラドキドキしながら読んでおり、次の展開が恐ろしくて月曜日が憂鬱になった時期もありました。(Twitterのトレンドに乗る時はだいたい阿鼻叫喚の声)
【あらすじ】
悪魔のポチタと共にデビルハンターとして、借金取りにこき使われる超貧乏な少年デンジ。ド底辺の日々を暮らす中で、ある日チェンソーの悪魔をその身に宿し、変身できるようになりました。そして公安のデビルハンターである怪しい美女「マキマ」にスカウトされます。マキマに管理されながらも人並みの暮らしに喜び、悪魔と戦う道を選ぶデンジ。人として成長していくデンジの物語が始まります。
女優の浜辺美波が「王様のブランチ」で、お気に入りの漫画として挙げたことでも話題になりました。
作者は奇才・狂人と名高い藤本タツキ。彼のインタビューで印象に残っているのが、当時の担当編集者とのやり取りです。
上記は前作「ファイアパンチ」の連載直前に行われた会話。なぜか藤本タツキは「ながやま こはる」という名前で、小額3年生の妹という設定でTwitterを行っているのである。
そんな独特な感性?を持っている作者だからこそ、描けるクレイジーな漫画がチェンソーマンという作品です。
作中に登場するキャラはまともなヤツほど退場していき、頭のネジがぶっ飛んだやつほど生き残ります。
【チェンソーマンの設定】
- ○○の悪魔は人に恐れられるほど強い(戦争が起これば銃の悪魔が強大に)
- 戦闘中でも悪魔を恐れればその分強くなってしまう
- デビルハンターは悪魔と契約して、力の一部を借り受け悪魔を退治する
- 主人公デンジは心臓が悪魔と一体化しており、悪魔のような姿に変身できる
- デンジは胸のスターターを引っ張れば復活するのでほぼ不死身
- 死体に入った弱体化した悪魔=魔人も居る
- いくら悪魔でも頭のネジがぶっ飛んだヤツは怖い

とはいえ彼の漫画力は折り紙付き。大学生の頃はバイトをせずに、家賃や生活費を払うためにひたすら読み切りを描いていたのだそう。描けば描くほど賞金がアップして生活に彩りが出たそうですが、それだけ狙って面白い漫画を次々と描けるのだから凄い話です。
賞金稼ぎのようなことが出来てしまうのですから、稀有な才能と感性の持ち主なのは間違いありません。
そんな藤本タツキが描く「チェンソーマン」の魅力を3つ紹介します。
チェンソーマンの魅力①映画のような迫力ある構図
チェンソーマンの魅力は圧倒的な画力による、映画のような迫力ある構図です。
例えば主人公デンジが敵であるサムライソードと戦う以下のシーン。

ビル内から壁を突き破り、勢いよく外に飛び出す二人がダイナミックに描かれています。飛び散るガラスの破片や瓦礫で躍動感があって、まるでアクション映画のワンシーンのようです。
ビル内の狭い空間での戦いを描いてから、外に飛び出すという構成も相まって迫力満点です。アニメ映えすること間違いありません。
作者の藤本タツキが映画好きなこともあって、チェンソーマンには映画を思わせるようなダイナミックな構図や、オマージュシーンが多くなっています。映画好きならニヤッとできるシーンも多いかもしれません。
あまり映画を見ない私でも、なんのオマージュかわかったシーンがこちら。

サメ、チェンソー、トルネード「これは、シャークネードだああああああ!!」と多くの人が思ったシーン。真面目な戦闘シーンで、しかも佳境なのですが笑ってしまいました。
ですがこうしたオマージュだけが、魅力ではありません。
チェンソーマン内で登場した構図やシチュエーションを意図的にリフレインしたり、台詞にせず絵で伝えたりしているのも魅力です。
例えば1話でゴミ箱に詰められて、ポチタと会話するシーン。デンジが悪魔と一体となる印象的なシーンなのですが、この「ゴミ箱の中で」「デンジが」「お願いされる」というシチュエーションが終盤で再びやってきます。私は泣いた。
印象的なシーンの構図やシチュエーションを再度使うことで、「違い」や「変化」を表す演出が多く使われます。
他にも「洗濯物が干されたベランダ」を描くこちらのシーン。

何の変哲もないように見えますが、この「みんなの洗濯物が干されている」何気ない1コマだけで「デンジが人並みの生活を得て、家族とも呼べる関係性を構築した」ということが瞬時に伝わる構成になっているのです。漫画が上手い!!!
このように台詞だけに頼らず、画面で情報を伝えるのがとても上手。絵から汲み取れる情報がとても多いので、ネットやリアルで意見・感想を聞くのがめちゃくちゃ楽しい漫画でもあります。
画力が高く、構図の上手い作者だからこそできる、迫力あるシーンの数々がチェンソーマンの魅力。たとえ文字が読めなくても、ワクワクさせてくれます。
チェンソーマンの魅力②人として成長するデンジ
主人公デンジが、人として成長していくのも大きな魅力です。
死んだ父親が残した借金のせいで、ヤクザにこき使われる日々を小さい頃から過ごしてきたデンジ。贅沢はもちろんのこと、普通の生活すら送ったことのない状態でした。

デビルハンターとして稼いだお金は借金返済に回されるため、残るお金はほんのわずか。この頃のデンジは食パンにジャムを塗ったことすらなく、もちろん学校には行けていません。
そんなデンジがマキマに出会い、公安のデビルハンターとして働いていく中で人並みの生活を得ていきます。
当初は野犬のような本能に忠実で、理性のないアホ丸出しなデンジでした。(当初の目標はマキマの胸を揉むこと)
しかし公安の先輩「早川アキ」や魔人である「パワー」との共同生活を送ることで、「理性」や「人並みの感性」を得ていきます。そして家族とも呼べる関係を築いていくのです。

恵まれない生活を送っていたデンジが、どんどん人らしく成長していく姿は読んでいて微笑ましくもあり、イカれ具合が足らなくなって死なないか?と心配になったりと、複雑な心持で読み進めていくことになります。
そしてデンジは心と精神がどんどん人並みに成長していき、成長してしまったからこそ悩みが生まれ葛藤します。
ですが頭のネジがぶっ飛んだデンジだからこそ、出せる答えがあって、それは普通に生きていては憚られるようなことかもしれません。だからこそ読んでいて痛快に感じるのでしょう。
普通という概念に縛られて生きる人こそ、頭のネジがぶっ飛んだデンジの物語を読んで欲しいです。
チェンソーマンの魅力③謎が謎を呼ぶ世界観
主人公デンジは頭が悪いので世界観や世界の謎に首を突っ込みませんが、実は結構謎めいた世界観をしています。そして物語が進むにつれ、徐々に謎が明らかになり、デンジもその謎と対峙せざるを得なくなっていきます。
実は序盤から多くの謎が散りばめられており、読み進めるにつれ違和感にモヤぁっとする構成になっています。
その最たるものがデンジをスカウトした公安のデビルハンターであるマキマ。

デンジにとってはクソみたいな底辺生活を変えてくれた、美人で優しい聖母のような存在。しかしデンジ以外のほとんどの登場人物から嫌われていたり、恐れられたりする人物です。
デンジ視点で物語が進むため、読者視点ではマキマを嫌う要素が見つかりません。
ただ違和感は覚えるようになっています。デンジは気づかないものの、読者には伝わるようにしているのでしょう。
例えば初めて出会うシーン。マキマはデンジが求める答え通りの返答をします。しかも前線に赴いたのはこの1話だけです。デンジが居た現場にだけ訪れる違和感。なぜか会話を知っている違和感。読めば読むほど違和感が募っていきます。
そして悪魔と合体したデンジは、その心臓を狙われるようになります。
なぜデンジが狙われるのか?どうしてデンジが特殊なのか?デンジの状態に名称がないのは何故?マキマの目的は?どうして嫌われている?チェンソーマンってなに?こうした疑問が次々に浮かび上がり、そしてそれらの謎は物語の後半で次第に明らかになっていきます。
散りばめられた伏線と謎が判明する爽快感があり、11巻で完結という短さもあって一気読みに適した漫画です。
もう一度初めから読み直せば、一周目では気づけなかったこともたくさんあるはず。何度読んでも面白い漫画です。
チェンソーマンは映画や短く完結する漫画好きにおすすめ
チェンソーマンは頭のネジがぶっ飛んだデビルハンターほど、強いという世界観です。読んでいる方もネジがぶっ飛ばされることでしょう。
作者藤本タツキが映画好きということもあり、映画のようなダイナミックな構図やオマージュシーンなど「画」も見どころ。構図やシチュエーションを再度使うことがあるので、読み返すと繋がりが意識出来て新たな発見があります。
また読み切り投稿で賞金稼ぎできるほど漫画力が高いため、台詞だけに留まらない意味が絵に込められています。隅々までチェックして、感想を言い合うのが楽しい漫画です。
10巻ほどで完結するため大人買いしやすく、一気読みにおすすめです。チェンソーマンで泣いたり笑ったり怒ったりして、あなたもチェンソーマン最高と言いましょう。
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