どうも、能登麻美子サーヴァント大好きのダルです。
※月姫Rのネタバレ全開なので、未クリアの方はご注意ください。全ルートクリアした方のみご覧ください。
全ルートに現れた白い「異形の死者」。蜘蛛のような顔と真っ白な体の奇妙な存在です。一般的なゾンビのイメージに近い他の死者と比べると、明らかに異質です。
アルクェイド・遠野志貴・シエルと主要人物に接触したのに、最後まで「誰によって作られたのか」「何が目的だったのか」「なぜ現れたのか」がわからない謎のエネミーでした。
一応月姫R作中では「ロアの仕業」とされていますが、そう片付けるにはあまりに不自然です
異形の死者たちの詳細や共通点、登場シーンを見返すと「ロアではなく阿良句博士の仕業だった」可能性が高いと考えました。
異形の死者が誰によって作られ、何が目的で、なぜ現れたのか考察します。間違っていたら秋葉様付けの運転手にしてください。
異形の死者は何者なのか?
アルクェイドルート・シエルルート(エクストラエンド)の両ルートで、普通の死者とは姿かたちが違う死者が2体現れました。
正確には異形の死者と呼ばれたのはクラーケのみですが、メタスタシスも異形で他の死徒と異質なのは共通しています
死者・屍鬼(グール)と呼称されるためどちらも死徒の階梯は低いのですが、月姫R作中で登場する他の吸血鬼たちとは明らかに様子が異なるので、特殊な存在と思われます。
異形の死者「クラーケ」の特徴
アルクェイドルートで死者の食堂と化していたマンションを探索する際に、白い死者クラーケと遭遇します。
クラーケという名称は、北欧の海の怪物クラーケンからでしょうか
クラーケンは巨大なイカやタコの姿で描かれるので、白くて多腕な外見上の特徴と合致します。
クラーケはアルクェイドがマンション内の死者たちを殲滅し、志貴とアルクが談笑していると”突然”画面の端に登場します。ビール腹の白いおじさんのような死者が突然現れる、不気味なシーンなので多くの方の記憶に残っているかもしれません。
- 蜘蛛のような顔
- 真っ白な体
- ビール腹のような体型(長い多腕を収納している)
基本的な攻撃手段としてはお腹に収納していた長い先割れ多腕を、相手に向かって伸ばすだけというシンプルなもの。戦闘力はそれほど高くなく、志貴にあっさり迎撃されます。
それほど強い死者ではありませんでしたが、志貴には「明らかに異質で異常なもの」と評されました。
- 俺たちの街にも、アルクェイドの世界にも、いる筈のない異種
- 存在にいたる工程が違う
- 人間性・ホモサピエンスであることを放棄している
- 捕食するための動物、蜘蛛のよう
- 仕留めたら灰になった、他の死者とは違う?
見た目から気持ち悪さが溢れ出している死者ですが、志貴の評価も散々。人間でも吸血鬼でもない蜘蛛のような異種という評価は、クラーケがただの死者ではないことを思わせます。
また「存在にいたる工程が違う」というのも気になります。
死徒は真祖とは違い自然発生せず「真祖・死徒に血を吸われる」or「魔術により肉体を改変する」ことで、後天的に生まれる吸血鬼です。
クラーケは上記どちらでもない方法で、吸血鬼になった(された)のかもしれません。
アルクに倒された死者は肉塊となり残ったのに対し、志貴に倒されたクラーケは残らず灰になったのも不思議です。
他の死者は死体が残っているので、人為的な調整が加えられているのかも。灰になって消えるのは証拠隠滅のため?
新種の屍鬼「メタスタシス」の特徴
両ルートで、シエル先輩の前に蜘蛛のような屍鬼が立ちはだかりました。ともに急ぐシエル先輩を足止めするように現れたのが印象的です。
シエルルートではシエル先輩が「決して自然発生したものではない」 「死徒に血を送られて変貌する元人間もいるが、あそこまでの異形には成らない」と語っていました。
血を集めるため作られた死者ではなく、何らかの目的のために「意図的に作られた存在」と推察されます。
- 蜘蛛のような顔
- 真っ白な体
- お腹に収納された多腕
- 伸縮する左腕(多腕)
- 肩のコブに群生した牙(ミサイルのように発射できる)
- 近距離戦用の太い左腕
人の形を逸脱した人と蜘蛛を混ぜたキメラのような姿をしており、他の死徒と比べても明らかに異質です。
ヴローヴやロアのように会話はできないものの、屍鬼のため意思はあるようです
ただし数々の死徒を葬ってきたシエル先輩に「常人には理解できない意識」と言わしめるほど、 殺意とも敵意ともとれないドロドロに入り乱れた意識を向けてきます。
その意識は星と月を描いたゴッホの絵のような、異次元にいるかのようなと表現されています。
ゴッホで星と月といえば「星月夜」。FGOでは外なる邪神の降臨に星月夜が利用されましたが……。いやいやクトゥルフ案件なんて関係ナイナイ
アルクルートではロア暗殺のため意識を消していたシエル先輩が、意識を向けさせられたほど。シエル先輩でも見たことも聞いたこともない異形で、気味の悪いモノに対する嫌悪感を抱かせる存在です。
ちなみにメタスタシスは以下のような意味がある言葉です。
石灰岩の再結晶やガラス質の岩石の脱ガラス化作用のような、多形仮像(paramorphism)による変化。多形仮像は鉱物が外形を保ったまま内部の原子配列の変化した現象をいうが、この場合は鉱物の考え方を岩石に応用したものである。英語のmetastasisには病原体や癌などの転移の意味があり、物理的な転移や遷移にも用いる
出典:コトバンク
「外形を保ったまま内部の原子配列が変化した現象」は、人間から吸血鬼への変態にも当てはまりそうです。
病原体や癌の転移も、転移した病原体や癌細胞はさらに広がっていくことを考えると、吸血により仲間を増やす吸血鬼の暗示にも思えます。
また死体は消失(シエルルート)しました。
明言されていないものの、クラーケのように灰になったのかもしれません
クラーケとメタスタシスは共通点が多く同じ勢力の可能性大
どちらも特に苦戦することなくあっさり倒されますが、以下のように複数の共通点があるため仲間(同勢力)かもしれません。
白い見た目、人間と生物のキメラのような異形、多腕生物モチーフ(蜘蛛・イカ?)、気配なく現れる、複眼、腹部へ長い腕を収納している、死体が消失
外見的特徴が酷似しており、死者・屍鬼という階梯の低さから考えると、同じ勢力の下っ端と考えられます。
どちらも倒されたあと死体が消えているのも特徴で、ただの死者とは違う何らかのカスタムがされているようです(通常の死者は肉片が残っている)
また最大の特徴が「気配なく現れる」点でしょう。クラーケもメタスタシスもアルクやシエル先輩といった実力者の前へ現れているにもかかわらず、接近に気づかれず突如登場しました。
例えばヴローヴが生み出す死者は、ヴローヴ同様に燃えていました。路地裏で初遭遇した際に、アルクェイドが初めて見たと言っていたのでヴローヴの死者特有でしょう。
ホテルで遭遇したドーベルマンも炭化していたので、親となった死徒の特徴をある程度受け継ぐと推察されます。
基となる吸血鬼が”親”と呼ばれるだけあって、生み出される死者に能力が遺伝しているような節がありますね
クラーケとメタスタシスが共通してステルス能力に長けているのは、2体を生み出した存在もステルス性能が高いからかもしれません。
異形の死者はロアの仕業ではない
クラーケはロアの食堂に現れたため、ロア配下の死者のように思えます。メタスタシスもシエル先輩の前に立ちはだかった際に、ロアの仕業と推測されています。
どちらの異形の死者も「ロアの仕業だろう」と推測されるまま、月姫R前編の物語が終了してしまいハッキリとした詳細はわかりませんでした。
しかし明らかにロアの仕業と言い切るのは難しく、ミスリードである可能性が大いにあります。なぜロアの仕業ではないのか、その理由を説明していきます。
クラーケの場合
クラーケはアルクェイドルートで、ロアの死者食堂だったマンションに現れました。
シエルルートでは現れず。アルクがマンションごと破壊しちゃったので、恐らく他の死者と一緒に壊滅したのでしょう
志貴とアルクがロアの死者を倒して回っている最中に現れたので、てっきりロア配下のように思えます。しかしクラーケはロアの死者が倒された後に現れたため、ロアと関係があるとは限りません。
クラーケとロアの死者が鉢合わせていたら、互いに潰しあったかも?
もちろんクラーケとロアの死者が、仲良く襲ってきた可能性も否めない。つまり「ロアとクラーケの関係性はよくわからない」としか言えません。
個人的にはクラーケの造形はロアの趣味じゃなさそう……と思いますが、証拠となるような材料は見つけられませんでした。
しかしメタスタシスはロアの配下ではないと言い切れるので、クラーケとメタスタシスが同勢力であるならば、クラーケもロアの配下ではないと言えます。
メタスタシスの場合
メタスタシスはシエル先輩の前にしか現れておらず、両ルートともシエル先輩はロアの仕業だと推察しています。
- アルクェイドルート:ロアが配置した対自分用の防衛措置
- シエルルート:ロアの置き土産
どちらの時点でもヴローヴは死んでいるので、メタスタシスのような上級死徒(Ⅶ階梯)に匹敵するモンスターが現れれば、ロアの仕業だと思うのはシエル先輩視点では自然かもしれません。
しかしメタスタシスをロアのせいにするのは、明らかに不自然です
上級死徒に匹敵する性能とはいえ、シエル先輩迎撃用にしては弱過ぎます。アルクェイドルートでは10分あれば倒せると言われ、シエルルートでは相打ち覚悟なら1分で倒せる敵でしかありません。
エクストラルートでのエレイシア評を見る限り、ロアはシエル先輩の強さをよくわかっているので、対シエル先輩用の兵器として用意するなら、真っ向勝負ではなく死徒ノエルのような搦め手系にするのではないでしょうか。
少なくともあの程度の強さで勝てるとは思わないでしょう。
ロアはメタスタシスを把握していなかった
メタスタシスはロアが使役する屍鬼ではなく、関係ない第三勢力である可能性が高いと思われます。
アルク殺害後に志貴との1対1の問答で、ロアは「どこぞに隠れている教会の女の始末もある」と述べており、シエル先輩の位置や既にメタスタシスと交戦状態だと把握していませんでした。
一方シエル先輩視点では、メタスタシスと交戦開始時点で既にアルクVSロアの戦闘が始まっていたので「メタスタシス=ロアの仕業」であれば、シエル先輩が戦っている最中(隠れていない)だとロアがわからないのは不自然です。
もしメタスタシスが番犬的存在なのであれば、シエル襲来のアラートが鳴らないのは変でしょう。迎撃戦力としては弱く、情報も送ってくれないならセコムの意味がありません
つまりアルクェイドルートの学校での決戦には、第三勢力の介入がありメタスタシスは第三勢力の吸血鬼だった可能性があります。
クラーケとメタスタシスは共通点が多く同勢力と思われるので、クラーケもメタスタシスも第三勢力の吸血鬼なのではないでしょうか。では、一体誰が異形の死者たちを生み出したのか?
クラーケとメタスタシスは誰の仕業か?蜘蛛のようと評された阿良句博士が怪しい
結論から述べると、クラーケやメタスタシスを生み出した第三勢力とは阿良句博士ではないでしょうか。
出典:月姫公式Twitterより
多くの月姫プレイヤーがクラーケ&メタスタシスの蜘蛛っぽさから、阿良句博士との関係を疑ったはず。色々見返してみると阿良句博士の怪しさが増していったので、順を追って考えていきます。
阿良句博士と蜘蛛の関連性
まず阿良句博士がなぜ蜘蛛に関係あるのか、おさらいしておきましょう。
- 本名:阿良句寧子=アラクネ=ギリシャ神話で蜘蛛にされた女性
- 髪型のシルエットが蜘蛛
- 予防接種の際に蜘蛛の巣のよう・蜘蛛のような髪と評される
- ノエル先生を白い糸で縛る(ヴローヴ戦跡地にて)
- ノエル先生を縛る際醜悪な蜘蛛のようと評される
本名からしてド直球で、英語表記がArakuではなくArach(アラクネの綴りはArachne)なあたりからも、蜘蛛要素を隠す気がありません。月姫R作中でも何度も蜘蛛のようと言われているので、蜘蛛モチーフのキャラでしょう。
ちなみにインタビューによれば、死徒ノエルは「蜘蛛の巣に囚われる蝶」モチーフ。バッチリ捕食関係ですね
ノエル先生を白い糸で縛ったあたり単に蜘蛛っぽいだけではなく、蜘蛛らしい能力も持ち合わせているようです。
またマテリアルによると阿良句博士の血液型は不明。マテリアルで血液型が明かされていないのは、何らかの特殊なヒトばかりです。
例えばわかりやすいのがノエル先生。B型だった血液型が、死徒ノエルは不明表記になっています。他にはアルクやみおちゃんも血液型不明です。
阿良句博士もノエル先生のように死徒化した元人間なのか、それ以外の怪物なのかは不明ですが、純粋な人間ではないでしょう。
ヴローヴの血液型が不明ではないので、必ずしも血液型不明=吸血鬼とは限らないようです
実際、阿良句博士が人外であることを匂わせるシーンは、作中にもあります。
志貴が子供の頃に病院で目覚めた際「コドモみたいにはしゃぐ博士」がいました。遠野槙久とは大学時代からの友人なので、阿良句博士が居ても不思議ではありません。
子供がカタカナ表記なのは人間じゃないから。月姫に限らず型月作品では、人型だが人間ではないものを「ヒト」と表記します。登場人物内で博士は一人なので、阿良句博士がただの人間でないのは確定でしょう。
阿良句博士と異形の死者との関連性
阿良句博士がただの美人なお姉さんではないとわかったところで、なぜ異形の死者と関連がありそうなのか見ていきましょう。
1.蜘蛛っぽい
身も蓋もありませんが、阿良句博士と異形の死者たちは何となく似ているから怪しく思えます。
クラーケ・メタスタシスともに蜘蛛のような見た目・不気味さがあり、月姫R作中の登場人物たちからも蜘蛛のようと評されています。
阿良句博士も蜘蛛を思わせる描写が多くあるので、少なくともモチーフが共通しているのは確かでしょう。
蜘蛛といえば、フランス事変にも蜘蛛っぽい死徒が居ました。これも幼少ノエルから異形と評されているので、阿良句博士の正体かもしれません
2.一連の吸血鬼事件を知っている
阿良句博士は総耶市で発生した一連の吸血鬼事件を知っていると思われます。
というのも阿良句博士は何の接点もないノエル先生の名前や事情を把握しており、ノエル先生がマーリオゥの目から逃れるためにヴローヴ戦跡地でキャンプ生活しているのを知っていました。
隠れ住んでいた所がバレて、初対面でノエルちゃん呼びされたら先生じゃなくてもパニックになります
ノエル先生自身も「マーリオゥの目から逃れるためにキャンプしていたのは事実」「シエルにも知られていないのにどうして?」と不思議に思っていましたが、なぜ知っていたかは月姫R作中では謎のままです。
恐らく何らかの手段で、監視していたと思われます
ノエル先生がヴローヴ戦跡地に逃げてきた時の背景が「指の上に乗る蜘蛛」でした。その後に阿良句博士が登場したことから、小さな蜘蛛は阿良句博士もしくは阿良句博士の使い魔だと思われます。
この蜘蛛はシエルルートでヴローヴ戦が終わった後にも差し込まれており、総耶市で起こる事件を蜘蛛で偵察していたのではないでしょうか。
実際アルクルートヴローヴ戦の治療後に「もうこんなことは起きません」と言う志貴に「そうなるといいわねぇ」と答え、シエルルートヴローヴ戦後は「昨日の夜(ヴローヴ戦の夜)からハイ」「志貴ちゃんには大感謝」と言っています。
前者は「ロアが居ると知っている」から、後者は「ヴローヴが倒されたと知っている」からこその発言ではないでしょうか?
少なくともロア・ヴローヴという2人の死徒の存在を知っていなければ、出てこないセリフでしょう。もし阿良句博士がフランス事変に居た死徒二十七祖の一人なのであれば、ロア・ヴローヴと顔見知りで当然ですが。
3.異質さ
阿良句博士もクラーケ・メタスタシスも、月姫の中で異質な浮いた存在なのが共通しています。
クラーケは志貴から「俺たちの街にも、アルクェイドの世界にも、いる筈のない異種」と言われ、メタスタシスはシエル先輩でも見たことも聞いたこともない異形とされています。
この異質さは阿良句博士も同じです
原作者の奈須きのこは、インタビューで「彼女は“異物”を体現したキャラクターです。」「何一つ理解できない、理解したくない。それが彼女です」と語っています。
月姫世界の異物である阿良句博士が、異質な存在を生み出している可能性は考えられるでしょう。
むしろ異質な阿良句博士から生み出されたからこそ、クラーケとメタスタシスは異質であると考えられるかも
4.死徒ノエルと異形の死者の消え方が同じ
死徒ノエルと異形の死者の消え方が同じなのも、気になるポイントです。
死徒ノエルはシエル先輩から最後の一撃を食らうと、灰になって消えました。クラーケも同様に灰になって消えており、他の死者たちは肉片が残っていたのと比べると特殊です。
メタスタシスは「灰になった」描写こそありませんが、討伐後消失したので肉体は残りませんでした。
ロア配下の一般死者は死体が残るので、クラーケ・メタスタシス・死徒ノエルが特殊と思われます。
ヴローヴはアルクルートで立ち絵の足首辺りから上は消えました。シエルルートでは描写がなく不明。しかし事後処理で安藤は「死体も残っていない」と、死徒の死体があって当然のように発言しているので、普通は死体が残るのでしょう。ヴローヴ配下の黒犬も死体は残っていました
死徒ノエルはご存知の通り、阿良句博士によって生み出された存在。死徒ノエルと阿良句博士の関連性がバレないように、灰になって消えるようカスタムされていたのではないでしょうか。
もし阿良句博士が証拠隠滅のため死体が残らないようカスタムできるのであれば、同じく死体が残らなかったクラーケ・メタスタシスも死徒ノエル同様に阿良句博士の仕業だと考えられます。
阿良句博士が作ったのであれば、志貴の「存在にいたる工程が違う」という所感は正しそう。注射器で生まれる死徒なんて異端過ぎる
5.阿良句博士は弱者を強者にするのが得意
阿良句博士はノエル先生に「弱者を強者にするのがライフワーク」と語っています。
実際、原理血戒(イデアブラッド)レプリカの注射でノエル先生を死徒化させ、 Ⅵ階梯(最終的にはⅦ階梯)まで上昇させています。イデアブラッドレプリカの注射器を1本打つごとに階梯が1つ上がるので、弱者を強者にできるのは事実です。
注射を打つと体の中を疑似原理(イデアモザイク)が駆け巡るとのこと。どうやってそんなもの手に入れた!??
メタスタシスはⅡ階梯の屍鬼にもかかわらず、上級死徒(Ⅵ階梯)に匹敵する戦闘能力を持っています。クラーケもⅠ階梯の死者にしては、アルクに攻撃を当て他の死者より善戦していました。
通常の屍鬼・死者よりも強かった異形の死者たちは、阿良句博士によりドーピングされていたとすれば、その強さにも頷けます。
死徒ノエルの階梯を無理やり上げたのと同じ要領で、クラーケ&メタスタシスも強化したのかもしれません
6.阿良句博士と異形の死者は隠れるのが得意
最後に阿良句博士と異形の死者は、どちらも隠れるのが得意という共通点があります。
例えば阿良句博士がノエル先生の前に現れたシーン。「不意に現れた人間の気配に振り向く」というモノローグが入ります。
ヴローヴ戦跡地のクレーターのような開けた場所で、腐っても代行者が不審者に背後を取られるまで接近に気づかないなんてあるでしょうか?
阿良句博士の身のこなしが特別優れている描写は月姫Rの作中にないので、何らかの能力で隠れる・身を隠すのが上手いと考える方が辻褄が合いそうです。
そもそもイデアブラッドレプリカなんてものを持っていて、誰にも気づかれないのがおかしな話。特にアルクは死徒の気配を感じそうなものです。(シエル先輩のイデアブラッドみたいに使用するまではバレないのかもしれませんが)
Fateでいうところの気配遮断のようなイメージでしょうか
描写が少ないので確実ではないものの、阿良句博士には何か「隠す」ことに特化した能力があるのかもしれません。
またクラーケ・メタスタシスはどちらもアルク&シエル先輩に悟られずに、突然目の前に現れたのが特徴です。
ヴローヴの生み出した死者が親同様に燃えていたように、親である阿良句博士の隠す能力が異形の死者たちへ受け継がれたのではないでしょうか。
阿良句博士に隠す能力があるのであれば、廃病院の探索が不十分なことにも説明がつきそうです。廃病院について詳しくは「月姫リメイク考察|廃病院は何だったのか?遠野志貴の入院病院かつ吸血鬼事件の現場説」をご覧ください。
異形の死者の目的・現れた理由は?
クラーケ&メタスタシスを作ったのは、阿良句博士でしょう。では「何が目的だったのか」「なぜ現れたのか」。恐らく志貴の偵察&シエル先輩の妨害でないでしょうか。
クラーケは遠野志貴の偵察
クラーケが現れたのは、ヴローヴ戦の後です。ヴローヴが志貴&アルクに倒されたことで、興味を持った阿良句博士が威力偵察のためクラーケを差し向けたのではないでしょうか。
阿良句博士の登場回数は少ないものの、いずれも遠野志貴に興味津々な様子がうかがえます
例えばアルクルートのヴローヴ戦後の触診では、志貴の肉体は特別製だと語っており、ブランクを取り戻したければ相談してとまで言っていました。
予防接種時(BAD)には「どうなるか楽しみにしていた」と言っていたので、少なくとも志貴が何を成すのかには興味があったようです。
描写が少ないので真意はわかりませんが、志貴ががどんな人物なのか、どんな能力を持っているのか偵察したかったのではないでしょうか。
もしかしたら倒すべき障害となるかどうか、値踏みしていた可能性も考えられます
メタスタシスはシエル先輩の妨害
どちらのルートで現れた際も急ぐシエル先輩の前に現れているので、”時間稼ぎ”のために差し向けられた可能性が高いでしょう。
- アルクルート:ロアとの決戦に挑む志貴の援護に向かっていた(13日目:クラーケⅣ)
- シエルルート:暴走アルクェイドと対峙する志貴の下に向かっていた(14日目:クラーケⅢ)
シエル先輩にとって1分1秒を争う状態で、無駄な時間を使っている暇はありませんでした。
実際どちらのルートでもシエル先輩は、メタスタシスの妨害のせいで間に合っていません
アルクルートではロア暗殺失敗および決着がついてからの登場で、シエルルートでは志貴がアルクェイドの喉を切ってから登場します。
どちらもシエル先輩がもう少し早く到着できれば、物語は違う展開になっていたでしょう。
では阿良句博士はなぜ妨害したのか?アルクルートではロア暗殺の阻止、シエルルートではアルクの弱体化を狙った、ロアの手助けではないでしょうか。
予防接種によるバッドエンド「カルマの清算」では、目覚めたロアが「想定より早く目が覚めた」「よからぬものが混じったからだろう」「やらなくてもいい事しかやらないのが、あの女の悪癖だ」と語っています。
予防接種時にイデアブラッドレプリカを注入されたため、志貴の中のロア(ロアの死体が焼かれた後なので四季から移っている)の目覚めが早まったことがわかります
阿良句博士とロアは顔見知りかつ、敵対関係ではないよう。実際、目覚めたロアが街へ出ると死徒ノエルが暴れていますが、ロアは微笑ましく見守るだけでした。
ロアが暴れていると思っていましたが、背景で出てくる武器が死徒ノエルの黒鍵のような紫の武器。ノエル先生が死徒化した後なので、死徒ノエルによる惨劇です
予防接種(GOOD)の際に「仕事が入ってるから次の機会なんてない」「楽しい日々はもうおしまい、ぬっるい休憩はいい加減ここまで」と言っているので、何かしら事件を起こそうと画策していたと思われます。
月姫後編となる月の裏側では、死徒ノエル以上の惨劇を起こすのかもしれません。
阿良句博士と異形の死者の活躍は月の裏側へ
長々と語ってきましたが、要約すると以下の通りです。
- クラーケとメタスタシスは仲間っぽい
- ロア&ヴローヴは関係なさそう
- クラーケ&メタスタシスと阿良句博士は共通点がある
- 状況証拠から阿良句博士が怪し過ぎる
阿良句博士も異形の死者たちも、月姫Rでの描写があまり多くないので、現状では多くの仮説を重ねるしかありませんでした。しかし色んな点から見てみると、阿良句博士が怪しいというのは確かでしょう。
助けて洗脳探偵翡翠ちゃん!
阿良句博士と異形の死者の活躍は、月の裏側である「The other side of red garden」まで持ち越しとなりそうです。
なぜならメタスタシスが現れたのはアルクルート13日目クラーケⅣ、シエルルート14日目クラーケⅢです。クラーケⅠ・Ⅱを我々は見ていないので、まだ何かあるのでしょう。
阿良句博士の正体や活躍はもちろんですが、クラーケ&メタスタシスにも要注目です。
\ CD8枚組・約8時間の大ボリュームな月姫サウンドトラック/
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